書籍「外国人まかせ-失われた30年と技能実習生」
- 2023.06.06 公開
- written by IKEDA
あまりこの様な本は読まないのですが、澤田晃宏氏の著書「外国人まかせ-失われた30年と技能実習生」を読みました。
実習生にも不人気とされており、実習生も集まりにくい建設業、縫製行、農業が章立てでピックアップされ取材されています。
不人気職であるが故に、実習生の質にも違いがあるかもしれません。
マスコミやインフルエンサーが技能実習制度について見当違いだと感じる事が多いのですが、著者の前作が技能実習制度の問題点を的確に捉えていたのでこの本も読みました。
表題が少々攻撃的だと感じたので、今度はよくある制度批判かな?と思いつつ読み進めると、前作同様丁寧な取材とデータに基づいた良い読本となっていました。
内容についてはあまり触れませんが、山脇先生の対談も含まれており、『特定技能はバックレ、技能実習は失踪』と帯にもあり同程度に問題点ではあります。
失踪の方だけが社会問題となっている風潮はあるものの、技能実習制度において実習生の失踪が問題点である事は変わりません。
実習生の失踪は監理団体にもペナルティがあり、避けたいが故の努力が伺える記述もあります。
自分が関わっている監理団体も含め、失踪させない為の努力をしている監理団体も多々あり、むしろ大半の監理団体がそうした努力をしているのでは、と思います。
労働力の輸出を国策とする諸外国と、労働力が欲しい日本において、法整備さえ整えばより良い制度として運用できるはずです。
昨今の外国人問題に興味ある人にはお勧めです。